FRB金融政策の要IOER・RRRって一体何?基本用語からFED動向まで徹底解説!!

こんにちは。ぼんでぃです。

最近、短期金融市場における資金需要がひっ迫し、短期金利が急上昇しているニュースを目にすると思います。

 

これらはFRBの金融政策やバランスシートの状況等複雑な構造が絡み合っているわけですが、どうやらこのポイントを難しいと思っている方が多いようです。

なるべく初学者の方にもわかりやすく、丁寧に解説していきたいと思いますのでよければ読んでいってください!

まずは基本用語からおさらい

レポ取引とは

銀行間で有価証券を担保に資金(現金)の貸し借りを行う取引。

設定された一定期間を経過すると、担保として預け入れた有価証券は返却されます。

要は商業銀行が法人や個人に担保付貸出しを行いますが、融資先も金融機関で担保が有価証券になったものといったところです。

期間は短いものが多いです。

FF Effective Rate(フェデラルファンド金利)

金融規制により、米国銀行はFRBに一定量の現金を預ける必要があり、これを所要準備金と呼びます。

所要準備金以上に積み立てた物に関しては超過準備金と呼びますが、これと後述するIOERが関わってきます。

所要準備金が維持できなくなる場合、FEDにある口座を通じて銀行間でお金の貸し借りを行いますが、その時に設定される金利がFF Effective Rateとなります。

これらを踏まえてFRBの金融政策を考えてみます

皆さんご存知のFOMCでFRBは金融政策を発表しますね。

FOMCで発表されるFF誘導目標が注目されていますが、実はこのFF誘導目標はあくまで宣言なんです。

実際にFF Effective Rateを誘導するためのツールとして、

IOER(超過準備付利金利、Interest On Excess Reserves)

RRR(リバースレポ金利、Reverse Repo Rate)

があります。

イメージとしてはサンドイッチ方式になっており、

IOER(上限)・・・9月のFOMCで1.80%に設定

FF Effective Rate・・・9月のFOMCで1.75%-2.00%に設定

RRR(下限)・・・9月のFOMCで1.70%に設定

のような形です。

なぜIOERとRRRによって短期金利が誘導できるのかというと、この二つのレートの設定に答えがあります。

IOERはFRBに口座を持っている米国銀行が現金を預ける中で、前述の所要準備金を超えた部分に対して付けてもらえる金利を指します。

ここでのポイントはノンバンクやGSE(政府系金融機関)利用できないという点です。

リバースレポ金利はFRBが市中の金融機関から資金を借りる(→利息を支払う)取引なんですが、リバースレポに関してはノンバンクやGSEも利用することができます

これはつまりどういうことかというと、マーケットにおける資金需要がワイド(供給過多)になった場合、市中の短期金利がFF誘導目標を下回ってしまう事が想定されますが、この時にFRBがリバースレポを実行する事で、リバースレポよりも金利が悪い貸出先には妙味がなくなりますので、そういった先には資金供給が行われないという事になります。

結果として、市場の下限金利はRRRのレートに設定されるという仕組みです。

では上限はどうでしょうか。

IOERの使い方の一つとして、米銀がノンバンクやGSEから資金調達を行い、FEDアカウントに預入することでIOERとRRRの鞘抜きができるという方法があります。

これが何故上限としての役割を果たすかというと、

IOERを得られる米銀は、付利金利を下回る金利で資金調達を行える(更にIOERで運用できる)ため調達するのであって、市場の実勢がIOERを上回った場合は調達・運用する意味がありません。

本当に資金が枯渇して調達を要するような実需が伴えば別ですが。

結果として、IOER以上の金利では資金調達したがる人がいなくなるため、事実上の短期金利の上限となります。

しかし、このシステムの問題点は今回のように短期資金需要の逼迫が起こった時に、上限となるシステムが存在しない点にあります。

短期金利の急上昇はなぜ起こったのか

一般的に言われているのは、一時的な納税資金対応と新発米国債の受け渡し(代金の支払い)が発生したため、短期的に金利が上昇したとされています。

(法人税の支払いは1,4,6,9月に設定されており、一般的に法人税の支払日は短期金利が上昇しやすい傾向にある)

しかし、本質的な問題は別にあると考えています。

僕が考えるに、

これまでに前例のない大規模金融緩和を続けてきたたため、市場における適切なキャッシュ量がわからなくなっている。(→わからない中で走り続けていたため、今回のように突発的な資金需要にマーケットの資金総量が耐えきれなかった)

・・・FRBは昨年まで金融引き締めを行ってきた過程の中でB/Sの縮小を行ってきた。(持っているアセットを市場で売却することにより、市場の現金を吸い上げるテーパリングと呼ばれるもの)

金融機関のB/Sが規制によって、強い制限がかけられ、金融機関同士のレポ取引が活発に行えなくなっている。

・・・FEDアカウントを持っていない金融機関は市中の銀行とレポ取引を行ってドルの調達を行います。(日本の銀行がドルアセットを購入する時なんかが該当します)しかし、リーマンショック以降は特に強い規制が金融機関には敷かれており、従来のように活発なレポ取引ができなくなっています。(リスクアセットの量に応じて現金の保有率を高めていかなければいけない、等)

こういった構造的な問題が、FRBや市中銀行には内在しているため、足元の短期的な逼迫だけではない可能性があります。

足元でFRBはどうやって対応したか

ニューヨーク連銀による約10年ぶりの資金供給オペレーションを行いました。

最大750億ドルの資金供給オペレーションです。

基本的には後述する金融政策はFOMCの際に発表されるはずなので、足元の短期金利の上昇に対しては突発的な資金供給オペで対応していくと考えられます。

今後のFOMCで注目すべきポイント

今後のFOMCを見る上で注目するべき短期市場への対応策として考えられるものが2点あります。

B/Sの再拡大(米国債等の購入)

経済成長に伴って、必要な現金の総量は当然増えていきます。

少なくともその成長分に関しては市場に資金供給(B/Sの拡大)を行う必要があるという議論があります。

それは緩和時代に行っていたQE(量的緩和)を通じてリスクアセットに資金を促すような物ではないため、一般に想定されるB/Sの拡大とは少し違うかもしれません。

しかし、マーケットが警戒しているのは成長分以上のQEの実行(それはすなわちただの金融緩和)です。

もしそういったことが起こればマーケットは反応し、株価のエクストリーム化(バブル化)が進行する可能性があります。

ただ、こういったエクストリーム化は中銀とマーケットの認識のズレが修正されたり、マーケットが欲しがる水準にFEDが応えなければエクストリーム化した株価は一気にしぼむ可能性もあるので非常に注意が必要です。

常設レポファシリティの創設(SRF:Standing Repo Facility)

これは、短期金利が上昇している時、米銀はいつでもFRBとのレポ取引ができるといったものです。

前述の上限への実質的な対応策となります。(短期金利が急上昇すればレポによって資金が流れ込み、金利は安定します)

しかし、常設レポファシリティはおそらくFEDアカウントを持つ米銀しか参加できないため、本質的なドル需要に対応しきれるか、等問題は残っており、次回FOMCまでに議論が決着するかどうかはまだわかりません。

最後に

今回はFRBの金融政策や足元の短期金利上昇について詳しく説明しました。

なるべく初学者の方でもわかりやすいよう書いたため、玄人の方にはおや?って思う部分もあるかもしれませんが見逃してください。

今後も新しい動きがあればこの記事に加筆修正していきたいと思います。

お付き合い頂きありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です