【米中貿易問題】米中貿易問題を徹底的にわかりやすく解説します!

今回は、米中貿易問題(米中貿易戦争)とは結局どういうことなのか、わかりやすくご説明していきます。

※今回の記事は、主語・述語(それぞれ米国なのか、中国なのか)がとても大切な内容になるので、くどいように主述を主張しますがご容赦ください。

米中貿易問題の推移

米中貿易問題はアメリカのトランプ氏が2016年に臨んだ大統領選に際して、米国における対中国の貿易不均衡を指摘したことで表面化した貿易問題です。 トランプ氏が大統領になった後、2017年にスーパー301条をもとに貿易不均衡の調査を開始。調査で明らかになった貿易不均衡の解消を目指し、従来より高い関税を段階的に付加。中国側も報復関税と称し、米国からの輸入品に対する関税を付加しており、いまだ解決に至っていません。

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米中貿易問題の背景にあるもの

米中貿易問題の背景には貿易不均衡だけでなく様々な背景があります。 米国が指摘しているものの一部を紹介したいと思います。

中国製造2025

「中国製造2025」とは中国政府が2015年に打ち出した、2025年までの10年間の発展計画のようなものです。2049年までの発展計画を3段階で分けており、第1段階である〜2025年は製造強国入りを目指しています。

強制的な技術移転

「強制的な技術移転」とは 、中国当局が中国国内における外資系企業(要は中国系以外の企業)に対して技術の移転を強要していた問題です。これらの背景としては中国が日米欧の大企業の工場(製造部門)として稼働していた中で、安い労働力を提供するのみの立場でした。しかし中国政府は同程度、それ以上の技術を中国国内で醸成するべく、在中外資系企業に技術提供を強制したところにあります。

補助金等の産業政策

中国では一部の産業(中国製造2025で重視されいる分野)に対して政府が補助金を与えています。ここには半導体や5g関連企業も含まれており、米国がまさに覇権をとりたい分野です。WTOは補助金に関して厳しいルールを定めており、中国はそのルールに抵触していると米国は指摘しています。

サイバー攻撃

米国は中国が政府主導でハッキング攻撃をしかけていると指摘しています。昨年12月にも12カ国が中国のハッキング攻撃の被害にあったと発表しており、様々な機密情報を詐取したと主張しています。 上記は一例ですが、中国は一定のルール違反を犯してでも競争力を醸成しようとしている、というのが米国の言い分です。多かれ少なかれ事実が入っており、中国側も一つ一つ解消するべく法律の制定を急いでいます。

なぜ事態は悪化しているのか

米中交渉は順調に進んでいるように見えましたが、5/5に事態は急変しました。昨年に発動している2000億ドル分の輸入品に対する関税のあらなる引き上げ方針及び、関税の引き上げ対象になっていなかった3000億ドルに対しても追加関税を付加する方針を打ち出した。 また、中国のハイテク企業HUAWEIに対し、米国からの材料(半導体等)の調達を禁止し、結果としてgoogleやMicrosoftはOSの提供を中断しました。この背景には両国の安定したファンダメンタルズ(米国の最近の耐久財受注は軟調でしたが)があり、早期妥結を必要以上には望まなくなってきている事が原因の一つと考えております。そういった環境下で中国が一方的に合意事項を変更し、米国の反感を買ったという報道もあります。 中国はメンツを非常に大切にしている国であり、一方的に悪い条件で締結するわけにはいかず、政府は国民に対して威厳を保ちたいため、可能な限り対等な合意に近づけたい考えがあります。

中国サイドの要求

  • すでにかけてきた関税を全て取り消すこと
  • 中国の輸入量を適正な量に設定すること
  • 合意文書を対等な形に近づけること

米中貿易問題の今後

ポジティブな結果を得られるパターン

①米中首脳会談がG20後に行われる (現在は行われない可能性が高まってきている、在米中国大使が首脳会談を行うかどうかの話し合いをそもそもしていないと証言、真偽は不明)

②これから予定されている米国による3000億ドルに対する追加関税の撤回

③これまでに付加してきた関税の撤廃

④HUAWEI問題の解決(トランプ大統領は交渉材料に盛り込む可能性を示唆) どの時期にどれを達成できるかが焦点となってきます。

ネガティブな結果になってしまうパターン(考え方)

①を否定される→首脳会談を行えないレベルに事態が悪化

②を否定される→貿易戦争の長期化を懸念

③を否定される→中国が望んだ形での合意が難しい事が確認される

④を否定される→中国側はHUAWEI問題を国の問題としてとらえており、貿易問題の解決には至らない可能性が高いと考えられる ポジティブな結果となれば、現在マーケットで最も懸念されている問題が払拭され、関係企業の株価は上昇。マーケット全体でリスクオンの展開になりやすい。 ネガティブな結果となれば、ダウンサイドリスクを再認識し、米国の利下げ等に期待せざるを得なくなる。

(一例)米中貿易問題と半導体セクターの関係

これまで、アメリカ株が上昇してきたドライバーの一つに半導体セクターの好調が挙げられます。 供給過多・在庫増で低迷していた半導体セクターでしたが、サイクルの中で年後半から需給バランスが改善するだろうという期待感から株価の上昇に繋がりました。 しかし、米中貿易問題がエスカレートする中で、HUAWEIの問題が発生します。 HUAWEIは携帯端末、5Gの基地局、ノートパソコン等様々な分野で半導体を消費する巨大メーカーです。今回の米中貿易問題の中でHUAWEIは米国内の半導体メーカーから部品の調達を禁止されており、これまで織り込んできた今後の需要期待が一気に剥げる結果となりました。 結果として、半導体セクターの株価は大きく下落しており、比較的経済指標が良好で(最近は耐久財受注等、軟調気味な指標も出ておりますが)アメリカは他セクターの株価が堅調に推移している中で、半導体が上昇した分を吸収する形で上値を重くしております。 トランプ大統領が自ら仕掛けた貿易戦争ですが、自国の株式相場の上昇を抑制してしまう結果となり、痛し痒しといった状況ですね。

米中問題の付随的影響

中国・グローバル

米国サイドは中国に、より多くの製品を輸入することを要求しています。事実、中国は大豆等の一部製品の輸入拡大を始めております。 しかし、中国における需要が急激に拡大するわけではないため、限られた需要の中で米国の供給量を増やす事になります。中国の輸入元のシフトは、結果的に他国の輸出量の減少にもつながってしまうということです。(グローバル経済の減速)

米国

米国国内においては、現状CPI(消費者物価指数)の水準を見ていても、消費者の購入価額に関税分が転嫁されている様子はないので、米国の輸入業者が利益を削って価額の維持を行っていると考えられます。 また、関税の導入によって、米国への輸入産品の輸入元が中国から第三国へシフトされる場合、対中貿易赤字は改善するかもしれないですが、グローバル単位で見た米国の貿易赤字は結局改善できないため、この貿易論争の本質がどこにあるのかは今一度考えたみたほうがいいかもしれません。 単純な貿易収支の改善ではなく、グローバル経済や5G等の覇権争いだと見ている人も多く、中国潰しに貿易問題を利用しているだけなのかもしれませんね。

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